過活動膀胱とは?

過活動膀胱は、膀胱が自分の意思とは関係なく過剰に収縮する状態です。これにより急に強い尿意が起こったり、何度もトイレに行きたくなったりします。年齢を重ねるほど頻度が上がる傾向があり、男女問わず、多くの排尿トラブルの原因となっています。
その一方で、過活動膀胱による排尿トラブルを「歳のせい」だと思い込み、受診せずに放置している方も多々見られます。排尿トラブルはQOL(生活の質)を低下させる要因となりますので、適切な治療で改善を図ることが大切です。
過活動膀胱の主な症状
過活動膀胱では排尿に関する症状が目立ちます。以下のような症状がある時は過活動膀胱が疑われますので、大阪・守口市のこいと腎泌尿器科クリニックへご相談ください。
尿意切迫感
突然強い尿意が起こります。過活動膀胱の中核となる症状で、診断の際にも重視されます。「トイレが間に合わないかもしれない」という不安から、外出を控えるようになる方もいらっしゃいます。
頻尿
日中に8回以上、夜間に1回以上トイレに行く状態が頻尿の目安です。過活動膀胱では、膀胱に少量の尿が貯まった段階で強い尿意を感じてしまうことが原因となります。会議や移動の途中でもトイレが気になり、集中力を保ちにくい状況につながります。
切迫性尿失禁
強い尿意とともに、トイレに間に合わずに尿が漏れてしまいます。生活に特に大きな影響を与える症状の一つで、外出への意欲を下げる要因にもなります。
夜間頻尿
就寝中に1回以上、排尿のために起きる症状です。睡眠の質が下がることで、日中の疲労感や集中力の低下につながります。夜中の移動による転倒のリスクも高まるため、特に高齢の方への影響が大きい症状です。
男女で異なる過活動膀胱の特徴
過活動膀胱は男女ともに見られる疾患ですが、原因や症状の現れ方には性別による傾向の差があります。
女性の過活動膀胱
女性の過活動膀胱は、膀胱そのものの過敏化や骨盤底筋の機能低下が主な原因となります。骨盤底筋は膀胱や尿道を支える役割を持っており、出産や加齢に伴って弱まりやすくなります。骨盤底筋が弱まることで尿意のコントロールが効きにくくなって、咳やくしゃみ、急な動作などをきっかけに尿が漏れてしまうこともあります。
症状としては、切迫性尿失禁が前面に出やすい傾向があります。1日に複数枚のパッドを使用するなど、生活への影響が大きい状態に至るケースも少なくありません。
男性の過活動膀胱
男性の過活動膀胱は、前立腺肥大症との関連が大きい点が特徴です。前立腺が大きくなって尿道が圧迫されると、膀胱は出口の狭さに対抗するために強く収縮するようになります。この状態が続くことで、膀胱が過敏になっていきます。
症状としては、頻尿や尿意切迫感に加えて、尿の勢いの弱さや残尿感を伴うことが多くなります。前立腺肥大症の治療を先に行うことで、過活動膀胱の症状も改善するケースが少なくありません。男性の場合は、まず前立腺の状態を評価した上で、治療方針を組み立てていきます。
その他の原因
性別による違いとは別に、以下のような要因も過活動膀胱の背景となります。
- 加齢に伴う膀胱の機能低下
- 脳卒中やパーキンソン病、脊髄損傷などの神経疾患
- ストレスや生活習慣
複数の要因が組み合わさることも多く、明確に原因を特定できない場合もあります。その場合は「特発性過活動膀胱」と呼ばれます。
過活動膀胱の診断
診断は、症状の確認と複数の検査を組み合わせて行います。当院では以下のような流れで進めています。
01
問診と過活動膀胱症状質問票(OABSS)による症状の評価
02
尿検査による感染や血尿の有無の確認
03
残尿測定
04
尿流量検査による排尿状態の評価
05
必要に応じて超音波検査(膀胱や前立腺の状態を確認)
過活動膀胱症状質問票は、症状の頻度と程度を点数化して、重症度を客観的に評価するためのツールです。診断と治療方針の決定に活用されます。
治療の段階
過活動膀胱の治療は、症状の程度や患者様の状況に応じて段階的に進めていきます。
行動療法
水分摂取量の調整、カフェインやアルコールの制限、骨盤底筋訓練、膀胱訓練などを組み合わせます。
薬物療法
抗コリン薬やベータ3作動薬を中心に、症状に応じて選択します。
難治性の過活動膀胱に対する治療
行動療法や薬物療法で十分な改善が得られない場合には、膀胱ボトックス治療や仙骨神経刺激療法などを検討します。
- 膀胱ボトックス治療:ボツリヌス毒素を膀胱の壁に注入することで、膀胱の過剰な収縮を抑える
- 仙骨神経刺激療法:排尿に関わる神経に電気刺激を与える装置を体内に埋め込んで、膀胱の働きを整える
当院では、患者様の症状や生活背景を踏まえて、段階に応じた治療をご提案しています。