前立腺肥大症治療の新しい選択肢

前立腺肥大症の治療は、これまでは薬物療法と入院を伴う手術が中心でしたが、2022年4月から保険適用となったウロリフト治療によって、選択肢が広がりました。大阪・守口市のこいと腎泌尿器科クリニックでは、このウロリフト治療を日帰りで行っています。前立腺肥大症の治療をどう進めていくかは、症状の程度や患者様の生活背景によって変わります。まずは現在の状態を一緒に整理するところから始めましょう。
ウロリフトの概要
ウロリフトは、正式には「経尿道的前立腺吊上術(Prostatic
Urethral Lift:PUL)」と言います。前立腺の組織を切らずに、インプラントを使って前立腺を左右に持ち上げて、尿の通り道を物理的に広げる治療方法です。組織を温存しながら排尿症状の改善を目指す点が、従来の手術との大きな違いです。
ウロリフトの仕組み
ウロリフト治療では、内視鏡を尿道から挿入して、前立腺の状態を確認しながら専用の器具でインプラントを埋め込んでいきます。前立腺の組織を左右に押し広げることで、尿の通り道を確保するのがウロリフトの目的です。インプラントは小さな金属部品とポリエステル繊維で構成されており、体内に長期間留置しても健康上の問題になりにくくなっています。
ウロリフトが開発された背景
前立腺肥大症の手術として長く行われてきたTURP(経尿道的前立腺切除術)は、前立腺の組織を電気メスで切除する方法です。歴史のある治療方法ですが、出血量が比較的多く、実施には入院が必要になります。
こうした課題を踏まえて、より身体への負担を抑えた治療方法としてウロリフトが開発されました。ウロリフトは「低侵襲手術(MIST:Minimally Invasive Surgical Therapy)」として位置づけられており、海外で先行して普及してきました。
他の前立腺肥大症の治療方法との比較
前立腺肥大症の治療には、症状の程度や患者様の状態に応じて複数の選択肢があります。代表的なものは以下の通りです。それぞれに適応となる範囲があり、患者様の症状や前立腺の大きさ、生活背景に応じて選択していきます。
| 治療方法 | 内容 |
|---|---|
| 薬物療法 | 軽度から中等度の症状が中心。継続的な内服が必要。 |
| TURP(経尿道的前立腺切除術) | 電気メスで前立腺組織を切除する手術。高い効果が期待できる一方、入院が必要。 |
| HoLEP(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術) | レーザーで前立腺組織を取り除く手術。大きな前立腺にも対応できる。 |
| ウロリフト | 組織を切除せず、インプラントで尿道を広げる治療。日帰りで対応可能。 |
ウロリフトのメリットとデメリット
ウロリフト治療には、他の治療方法と比較した時のメリットと、知っておいていただきたいデメリットがあります。手術時間の短さや日帰りで対応できる点はメリットですが、前立腺のサイズによっては適応外となる制約もあります。治療を検討される際は、両方を踏まえて判断していただくことが大切です。詳しい内容は、「メリット・デメリット」ページをご覧ください。
ウロリフト治療を検討するタイミング
ウロリフト治療は、薬物療法を続けても症状の改善が乏しい時、副作用が気になり始めた時、入院を伴う従来の手術を避けたい時などに検討していただける治療です。前立腺肥大症は症状が進行すると膀胱の機能にも影響が及ぶことがあるため、早めに治療方針を相談していただくことで、選択肢を広げることができます。現在の症状を整理するためのご相談だけでも構いませんので、お気軽に当院へお越しください。